2014年京都大学和歌山研究林大気観測

京都大学フィールド科学教育研究センター・森林ステーション・和歌山研究林にて大気観測を行う予定である。有田川支流湯川川の最上流部(標高455〜1,261m)に位置する人為起源の大気微量成分の影響を受けにくい場所である。
植物起源の揮発性有機化合物の影響がどのくらいであるかを調べるため、植物活性の高い夏季に植物由来のVOCを主体とした観測として人為起源の影響を受けにくい和歌山研究林で観測を行う予定である。また、同時にエアロゾルの個数及び雲凝結核の粒径分布の計測と植物由来のVOC濃度測定を行い植物由来のVOCがエアロゾル生成に及ぼす影響エアロゾル構成成分について観測した。


速報

大気観測を行った結果、以下のような特徴が観測された。
  • 1. オゾンが低濃度(10ppb以下)
  • 2. NOx濃度が極めて低い(1ppb以下)
  • 3. オゾン濃度が低いにもかかわらずHOx濃度は比較的高い濃度で存在し、日中に上昇する
  • 4. 夜間にモノテルペンの濃度が上昇する
  • 5. PHOxに関しても十分優位性が認められるほどに大きな値を示した。
  • 6. OH反応性は10から15s-1程度あり、OH反応性の大部分は植物起源のVOCによるものだと考えられる。


観測は7月28日から8月11日までを予定していたが、大型の台風11号の影響により、急遽8月9日に下山した。



避難時の様子

ここにきて途中でタイヤがパンク・・・。土砂崩れによる落石が非常に多く、台風のさなかにスペアタイヤに変更。慣れてきたのか、ものの10分くらいで完了。


その後8月9日には観測地への唯一の道路が土砂崩れにより通行止め。
いまさらながらではあるが、間一髪の避難だった。
さらに避難先から町へでる道路も数箇所土砂崩れによる通行止めが発生。1〜2日程度の短期間の通行止めであったため、食事、宿泊、車のガソリンについて何不自由することも無く無事終了した。
清水町の人々に親切にしていただいたことに感謝しつつ帰路についた。


有田川の増水の様子

観測期間

2014年7月28日〜8月10日  

参加研究機関と測定項目

京都大学/国立環境研究所
  • OH反応性測定
  • PHOx測定
  • HOx濃度測定
  • 植物起源VOC高速測定(Fast GC)
  • VOC高速測定(PTRMS)
  • キャニスター及び吸着管を用いたVOC測定
  • オゾン、NOx、CO、SO2の連続測定
  • ホルムアルデヒド濃度測定

首都大学東京
  • CRMによるOH反応性測定

名古屋大学
  • カーボンアナライザー
  • 操作式モビリティパーティクルアナライザー
  • 雲凝結核カウンター
  • エアロゾル質量分析計

東京農工大学
  • NO3+N2O5濃度測定(BBCEAS)

大阪府立大学
  • オゾン生成能測定

観測場所風景



観測地点